『ウェビナー報告日誌 2021「Registrar’s Lecture」編 vol.1 ― へき地医療と大学病院 ―』

 

研修の中で得た知識や経験、印象深かった症例などを題材とし、研修生自身によるレクチャーを通じて互いの成長と情報共有を図るためのウェビナー『Registrar’s Lecture』。

 

今期からは新たな試みとして、「Rural Generalist Program Japan(RGPJ)」の卒業生による講義や、将来の役に立つ情報を伝える特別講義なども実施されますが、その際、研修生には持ち回りで講義の司会を担っていただくこととなります。

 

 

今回は、その新しい試みの第一弾として、「第3期生」として大井田病院にて研修に参加されていた大野 史郎先生を講師にお招きし、現役の研修生からは堀井 三儀先生が、先陣を切る形で司会を務められました。

 

 

そんな今回の講義のテーマは、「へき地医療と大学病院」。

 

医師人生の大半を大学病院という高度に専門化された世界で過ごしてきた中で、大井田病院というへき地の病院での濃密な一年間の研修を経た大野先生が、再び大学病院に戻った今、改めて感じることや気付いたことを中心に、実体験に即して臨場感たっぷりにお話くださいました。

 

 

例えば、「医療」を「山」に見立て、山頂に近づくほど医療として高度になるとした時、自分がどこの高さを主戦場としているかを理解した上で、それ以外の高さの世界のことも知っておくことの重要性を説かれた大野先生。

 

大学病院という「山頂」付近の世界しか知らなかった時と、へき地の病院という山の「麓」や「中腹」のことを知った現在とでは、同じ大学病院で同じような患者さんを診る際にも、患者さんへの接し方も診療や治療に対する考え方も大きく変わられたそうです。

 

 

自分がいる所だけが「山」なのではなく、「山」全体の存在・形を意識し、自分のいる場所が山の「どの高さ」にあるのかを理解し、患者さんが抱えている問題は「どの高さ」にあるのかを常に考えることの大事さを、実体験として強調されていました。

 

 

 

そのほかにも、自分のゲネプロ研修生時代を振り返りながら「大学病院での医療」と「へき地医療」との対比を軸に、現役の研修生たちの目線や気持ちに寄り添いながら多くのアドバイスや有益な情報、激励の言葉などが贈られました。

 

今回は、その中でも特に研修生たちが面白そうに耳を傾けていたものを、以下に一つご紹介いたします。

 

 

近年は学会などにおいて声高に叫ばれている「総合診療医の6つのコアコンピテンシー」という難解な概念を、奈良出身という強みを活かし、砕けた「関西弁」で非常にわかりやすく“翻訳”してみせてくださった大野先生。

 

実際に、都会とへき地、両方の医療を経験されてきた大野先生による“翻訳”だったからこそ、同じように都会からへき地に挑戦している研修生の先生方には、余計に通ずるものがあるようでした。

 

 

 

なお、先日の『Rural Skills』においては、「第2期生」として初めてプログラムに参加された室原先生による講義も行われましたが、今回の講義では、現役の「第5期生」である先生方に加え、「第3期生」の大野先生に、つい数ヶ月前までは「第4期生」でもあった西津先生と上田先生とが一堂に会することとなりました。

 

「RGPJ」も五年目を迎え、研修生同士での「縦の繋がり」も着実に広がりつつあることを実感させてくれる──そんな嬉しい講義となりました。

 

 

 

 

 

 

 

Last night, the Registrar’s Lecture, a webinar for improving the registrars’ abilities as GPs through the round-robin lectures by the registrars for the registrars, was held for the first time in this term.

 

By the way, we have decided to set out on a new endeavor from this term; we invites the graduates of the Rural Generalist Program Japan(RGPJ) as a lecturer and a representative of the registrars will play a role as a moderator in the special lecture.

 

 

 

This time, Dr. Shiro Ono, who had participated in the RGPJ in the 3rd term, accepted our invitation and he gave the 5th registrars a lecture under the theme of “university hospitals and health care in remote areas”. On a side note, Dr. Minori Horii moderated the lecture.

 

 

Throughout the lecture, Dr. Ono freely shared his experiences and what he had absorbed during or after his training in the RGPJ with comparing the differences in healthcare between urban areas and remote areas.

 

Actually, he had been sufficiently familiar with both, so any his messages sounds pretty convincing for every registrars and went straight to their hearts. Finally, Dr. Ono seemed to be able to win their esteem.

 

 

 

 

Anyway, a 3rd registrar, two 4th registrars and many 5th registrars gathered together online in the lecture. Also, a 2nd registrar and the 4th and 5th registrars made a connection with each other in the recent Rural Skills.

 

Fortunately enough, it seemed that the cooperative relationship among the RGPJ’s registrars had been consistently formed during the five-year history of the program.

 

 

 

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