研修病院紹介
ゲネプロの前代表の斎藤学先生が全国各地の離島・へき地の病院をまわり、我々の理念と合致し、かつ現地で特色のある教育を提供している病院を皆さんに研修していただく病院としました。先生の学びたい内容と合致した病院で1年間研修をします。
ここでは、研修先の病院・地域の特色などをご紹介します。各病院の現在募集している科目・人数などは募集情報ページをご覧ください。
関東
千葉県匝瑳市
匝瑳市民病院
千葉県北東部に位置する匝瑳市は、美しい砂浜を持つ九十九里浜や雄大な利根川を擁し、広大な農地と里山に囲まれるなど、豊かな自然環境に恵まれています。
匝瑳市民病院は、東京から90分圏内にありますが、100床に対して常勤医が10人程度という規模の病院です。その匝瑳市の医療を支える匝瑳市民病院では、院長自らが率先して外来から検査、手術までをこなしているほか、外科、内科、整形外科の常勤医が、まさに一丸となって日々の診療に取り組んでいます。
平均年齢50歳を超える経験豊富な指導医陣に加え、医師会と連携した在宅医療には長年の実績があり、医師が少ない分だけスタッフも親切かつ丁寧で、非常に働きやすい病院です。
病院情報
千葉県匝瑳市八日市場イ1304
研修概要
99床の病院で、内科を中心にした外来・病棟・在宅診療を学びます。
病院の規模が小さいので手術を含めた視野から内視鏡(経鼻、経口、下部まで)を外科医と一緒に学べるほか、手術内容を熟知した主治医から緩和ケアをも学べることが、本研修の特徴です。
また、内科は、コモンな疾患はもちろん、呼吸器や神経内科の疾患に強く、気管支鏡検査や神経難病の訪問診療も行なっており、病院が一丸となって事に当たる様は、まさに「ザ・スモールチーム」といった風情です。さらに希望者は、ヘルニアや消化器癌といったコモンな手術に一緒に入りながら、腹部疾患を外科的な視点から学ぶことも可能です。
千葉県勝浦市
医療法人SHIODA 塩田病院
房総半島の南東部にに位置する千葉県勝浦市は、年間を通して過ごしやすい気候で、夏でも冷房が必要ない、とも言われるほど日本でも珍しい地域です。東京駅から特急・羽田空港から車でいずれも約90分の位置にあります。
その勝浦市にある塩田病院は、なんといってもRGPJ卒業生の青木信也先生が指導医を担っている点が大きな特徴です。
青木先生はRGPJ1期生として上五島病院で研修されたのちに、オーストラリアクイーンズランド州のへき地にある3つの病院を視察され、教育方法や働き方などを持ち帰り、日本式にアレンジして塩田病院で実践されています。卒業後も、クリニカルビジットやウェビナー、ワークショップの講師などRGPJの後輩たちへの指導にも携わってくださいましたが、2025年度よりゲネプロの研修病院としてさらに深く携わっていただくことになりました。今後、日本のへき地・離島医療を牽引していく先生のもとで学ぶことができます。
青木先生のゲネプロ研修体験記
病院情報
千葉県勝浦市出水1221
研修概要
「世界に近い地域医療を学ぶ場」
地域医療を学ぶ場所として、ある程度症例がないことには学びになりません。
そのためには一定数の人口が必要です。塩田病院のある地域は、医療圏カバー人口が45000人程度であり、3次医療機関までも救急車で30分で搬送することができます。
一方でそのほかに医療機関がないため、高齢者の診療を中心に対応することになります。3次医療機関への搬送以外の救急車を9割ほど受けています。年間1500台弱の対応となります。日中は、内科系を中心に臓器関係なく対応する状況で、夜間は外傷対応も行います。
小児診療については、この医療圏で唯一の小児科クリニック(外房こどもクリニック)と連携して、希望に応じて週1または2週に1回の研修も可能です。
勤務体制についても基本は10連続勤務+4日間連続休みのシフトで、勉強会や学会参加もしやすい体制です。
中部
岐阜県恵那市
市立恵那病院
JR名古屋駅から在来線で約1時間15分。岐阜県恵那市は、愛知県や長野県との県境に位置しており、豊かで清らかな水源と、それに支えられたのどかな田園風景の美しく広がる山間の街です。
中央アルプス最南端にして、美濃地方における最高峰「恵那山」をはじめとする雄大な自然に囲まれた恵那病院は、一般急性期疾患から亜急性期、療養までを総合的に扱う中核病院として、恵那市および近隣地域の医療を支える役割を担っています。
また、病院として「総合診療医」の養成にも力を注いでおり、独自の研修プログラムを提供している点も大きな特色の一つ。特に「産婦人科を診られる総合診療医を育成する」というスローガンと、それを実現するための仕組みには大きな注目が集まっています。
「都市」としての顔と「へき地」としての顔を併せ持つ環境で、幅広く「総合診療」を学ぶことのできる環境です。
病院情報
岐阜県恵那市大井町2725番地
研修概要
199床(一般急性期病床148床、回復期病床51床)で運営される恵那病院では、恵那市のほか、隣接する多治見市と瑞浪市、土岐市および中津川市を加えた5市から成る医療圏から、様々な症状を抱えた患者を受け入れています。
病院を挙げて「総合診療医」の育成に力を入れているため、特に「病院としての総合診療」を学ぶことができるほか、1次から2次までの「救急医療」の研修や、リハビリを中心とした「整形外科」の研修を経験することも可能です。
また、病院独自の特色として、「産婦人科ブロック」などの「女性診療」研修や、「小児科(特に外来および新生児)」研修も提供されていることに加え、病院の近隣にある「地域医療振興協会」の運営する病院や診療所、老人保健施設でも研修を受けることができます。
そのほか研修中には、内科における「内視鏡研修」など、様々な「専門診療」まで経験することも可能。
各科間の連携が強く、診療科間の垣根が低いことから、困ったことや分からないことなどがあればすぐに相談することができるほか、医師以外のスタッフも総じて「研修医・専攻医を育てよう」という意識が強く、「周囲と協力しながら一緒に学び合える環境」が整っている点も、大きな魅力の一つです。
参考資料
市立恵那病院 副管理者・産婦人科部長伊藤雄二先生のインタビュー記事(外部サイト)
ゲネプロ ブログ記事
四国
高知県宿毛市
大井田病院
愛媛県との県境にある高知県宿毛市は、「だるま夕日」が見えるほど、冬には空気が澄み渡る地域として知られています。日本有数の透明度を誇る沖の島までは、船で90分。海と山、そして川に囲まれた大自然豊かな地域です。
100年以上地域に愛されたこの病院は代々、外科医が院長を務めているということもあり外来には整形外科や形成外科、皮膚科、眼科、耳鼻科疾患が多いというのも特徴の一つ。加えて本研修においては、希望すれば乳幼児健診も含めた小児科診療や内視鏡も丁寧に学ぶこともできます。
「医療」と「自然」にどっぷり浸かれる環境は、外科系の技術を磨くには打ってつけです。総合外来から病院総合診療、在宅医療、健診を通して、へき地医療の真髄を学ぶことができます。
病院情報
高知県宿毛市中央8丁目3-6
研修概要
本研修では、小児から高齢者までの幅広い内科疾患や外科的処置を学ぶことができます。
指導医を務める外科兼救急医の田中院長の下、知識や臨床能力を十分に発揮できる環境が整えられており、「臓器に特化しない総合的な医療」が展開されています。
また、訪問診療や地域包括ケアへの積極的な参加を通じ、総合診療医としての多角的な視野の獲得や、「地域を診る」ということを意識した内容の研修を行うことも可能です。
この病院で研修した卒業生の声
参考資料
ゲネプロ卒業生 桐谷先生のインタビュー記事(外部サイト)
ゲネプロ卒業生 小栗先生のインタビュー記事(外部サイト)
ゲネプロ ブログ記事
中国
島根県益田市
益田地域医療センター医師会病院
益田市医師会に所属する開業医と密接に連携し、総合診療医として必要な技能を総合的に体得・強化できる研修を実施します。
山海と河川に囲まれる自然豊かな島根県益田市において、地域医療の中核を担う益田市医師会。会員同士の連携は密であり、その確かな結束力は、研修の内容と質にも間違いなく反映されています。
医師会病院でのベテラン医師による手厚い指導に加え、地元の開業医の下で多彩な診療科について実践的な研修を受けられる点も、同医師会ならではの強み。
自身の診療の幅を広げ、弱点を克服する中で、へき地医療の何たるかをも学ぶことのできる理想的な環境です。
病院情報
島根県益田市遠田町1917-2
研修概要
医師会病院では、外来診療(主に医師会の開業医の先生方からの紹介外来)、健診(主にカメラ・エコー)、病棟管理(内科系)を学びます。
また、本研修の特徴でもある、ベテラン開業医による指導においては、耳鼻科・皮膚科・整形外科・泌尿器、そしてプライマリヘルスケアの現場に必要な家庭医(通常診療に加えて、漢方・学校健診・小児科・糖尿病指導、ワークライフバランスなどについても詳しく学べる)を選択しながら、自分の強化したい分野を学びます。
ジェネラリストを目指す医師を対象としており、医師としての「診療の幅を広げる」ことや「苦手分野を克服」すること、あるいは将来、開業を目指す方に適しています。
参考資料
益田医師会「親父の背中プロジェクト」記事(外部サイト)
ゲネプロ ブログ記事
九州・沖縄
長崎県上五島町
上五島病院
長崎や佐世保から高速船で100分。手つかずのまま自然が残る美しく静かな島、上五島。186床の上五島病院を核として、2つの附属診療所、老健施設があり、急性期から慢性期、在宅医療までを学ぶことができます。
内科・整形外科・診療所勤務に別れて、専門的な研修を行います。診療所での総合外来、救急外来、訪問診療、健診などは全員で担当します。
内科には、総合診療をベースにした消化器、呼吸器、循環器のサブスペシャリティーを持つ指導医がいるため、教育も充実。整形外科においては、院長先生の指導のもと外来や入院管理のみならず、手術を経験することもできます。コモンな症例(骨折、脱臼整復)に対応できることを目指しています。
他に病院もなければ、開業医もいない。そんな離島の医療を、文字通り一手に担う上五島病院での研修を通じては、「島丸ごとを診る」という離島医療の真髄を学ぶことが可能です。
病院情報
長崎県南松浦郡新上五島町青方郷1549-11
研修概要
【内科】
ゲネプロが提携する研修病院の中では唯一、「総合診療プログラム」に参加することが可能な研修です。また、総合外来や病棟管理に加えて、内視鏡のトレーニングも可能であるほか、附属診療所での外来診療も担当できます。
「どこまでを自分たちで診療し、どこからはドクターヘリで搬送すべきか」など、自分自身の診療の範囲をしっかりと見極められるように訓練できる環境が整っています。
【整形外科(プライマリスポーツ医学&整形)】
ジェネラリストのためのスポーツ医学・プライマリ整形を学ぶプログラムです。
現地指導医の一宮邦訓先生(上五島病院院長)をはじめとし、プライマリ・スポーツ担当として、スポーツ医学の最先端をいく米国より猿渡淳先生(タフツ大学整形外科)、及びプライマリ整形の指導医に藤井達也先生(アンカークリニック船堀)にはオンラインにて指導をしていただきます。
「家庭医」「整形外科医」そして「スポーツ医」として、1年間プライマリ・スポーツ&整形を学べます。
上五島病院での研修紹介(動画)
この病院で研修した卒業生の声
福岡県宗像市
コールメディカルクリニック福岡
福岡県の博多と北九州のちょうど真ん中に位置する宗像にある、救急医が立ち上げた在宅医療専門のクリニックです。
「すべての方が住み慣れたご自宅でできるだけ最期まで「その人らしく」過ごせるように」をモットーに活動するクリニックで、1年、または2年間しっかり在宅医療を学べます。
病院情報
福岡県宗像市公園通り1丁目9-3
研修概要
福岡県宗像市での在宅医療と鹿児島県薩摩川内市下甑島での離島診療の二本立てのプログラムです。
宗像市は福岡市と北九州市という2つの政令指定都市のちょうど中間に位置し両市にアクセスしやすいベッドタウンです。
訪問エリアには宗像市・福津市・岡垣町などの行政区があり、域内人口約20万人の地方都市で、高齢者・緩和ケア・障害者など全て対応します。在宅医療の基本的な治療・知識・多職種連携、緩和ケア治療、医療的ケア児への治療や病診連携、ACPを始めとする対人コミュニケーションなどバランス良く学べます。
甑島は鹿児島県西部に位置する離島群です。
人口は全島あわせて約4000人、下甑島は約2000人が住む島です。宗像市からは在来線・新幹線・フェリーを乗り継いで約半日ほどかかります。
下甑島南部に所在する手打診療所はDr.コトー診療所のモデルとなった19床の有床診療所です。
診療所には放射線技師もいないため医師が自らCT機器の操作をします。緊急時の搬送手段もフェリー・漁船・ドクヘリ・自衛隊ヘリなど幅広いのが特徴です。
*コールメディカルクリニック福岡では、『Dr.コトー診療所』のモデルとなった鹿児島県下甑島の手打診療所の代診事業もしています。来年度も代診事業は継続になる可能性がありますので、定期的に離島医療も学べるような体制を構築していきます。