『ウェビナー報告日誌 2023「GP Road Map」編 vol.4 ― 予防医療と健康増進 ―』

 

オーストラリアにおける総合診療の豊富な実戦経験を持つロナルド・マッコイ先生から、「総合診療」について体系的に学びを深めるためのウェビナー『GP Road Map』。

 

今回は「予防医療」のほか、その実現とは切っても切れない「健康増進」に焦点を当てた講義の内容となりました。

 

 

 

 

以下、今回の講義より内容を一部抜粋してご紹介します。

 


 

「予防」と「健康増進」の定義

 

 

▷ 「予防」とは

 

 

以下を通じて、健康を増進、維持し、疾病を避けるための手段である。

 

 

 

  ・リスクの除去 または 低減

 

  ・早期診断

 

  ・早期治療

 

  ・医原性を含む合併症の抑制

 

  ・障害に対する最大限の対応

 

 

 

 

 

▷「健康増進」とは

 

 

健康増進とは、健康な人々が健康的な行動を学び、自身の健康に責任を持てるように支援すること。

 

 

また、個人、地域社会が「健康であること」を「望ましい状態」とみなすようになるための動機づけと促しのことであり、健康的な生活実践により維持されるもの。

 

あるいは、人々が自身の健康をより管理・改善できるように支援するプロセスのこと。

 

 

 

予防における「医療的介入」

 

 

医師のできることは「何」か?

 

 

  ・教育-健康増進、健康教育、疾病教育

 

  ・スクリーニング

 

  ・観察(特に長期にわたる)

 

  ・介入性のケア-予防接種、行動変容、薬物予防

 

  ・リハビリテーション

 

 

 

 

「いつ」介入できるのか?

 

 

  ・出産前 or 出産後ケア

 

  ・海外渡航者への提案

 

  ・幼児と両親による診察

 

  ・既にまたは潜在的に危機的状況にあるとき

 

  ・検査結果を渡すとき

 

 

 

 

 

備考:

 

介入のタイミングとしては「毎回の受診時」が理想的ではあるものの、現実的に患者がより行動しやすい状況としては上記が好例として挙げられる。

 

 

 

「スクリーニング」時の病歴確認

 

「予防の手がかりを見落とさない

 

病歴は、将来的な疾患のリスクファクターを見つけ出すための大事な「手がかり」となり得る。

 

以下は、年齢に応じた質問の例:

 

 

 

  ・家族歴

 

  ・自殺や事故

 

  ・薬物使用障害

 

  ・運動と栄養

 

  ・労働衛生上の危険

 

  ・身体機能、家の状態や社会支援

 

  ・セクシュアリティ、避妊

 

  ・骨粗しょう症

 

  ・外来診療における潜在疾患

 

  ・人間関係や心理社会的健康

 

 

 

備考:

 

外来診療における潜在疾患や骨粗しょう症、場合によっては患者の人間関係についても尋ねることで、メンタルヘルスに関する「手がかり」を得られる場合もある。

 

 

 

こどものスクリーニング

 

「小児」の検診

 

 

 

  ・身長 / 体重 / 頭囲

 

  ・腰

 

  ・斜視

 

  ・視力

 

  ・聴力

 

  ・睾丸

 

  ・口腔衛生、歯科評価

 

  ・脊柱側湾症

 

  ・先天性心疾患

 

  ・大腿動脈の拍動

 

  ・全体的な発育

 

  ・言語能力、言葉、社会的、感情的発達

 

  ・排泄習慣、行動および心的状態

 

 

 

備考:

 

自閉症スペクトラム症のレッドフラッグに留意すること。また一般的なチェックリストについては、こちらのサイトを要参照。

 

 

 

 

予防・健康増進のガイドライン『Red Book』

 

ガイドラインを活用することの重要性

 

しっかりと事前対応を行うことは重要ではあるものの、すべての患者に対して、あらゆる検査を実施できる訳ではないため、エビデンスに基づいたガイドラインを活用し、本当に必要な検査だけを実施することが重要。

 

 

 

▷ 『 Red Book 』

 

  ダウンロードはこちら

 

 

1989年以降、オーストラリアでは、Red Bookを活用している。

 

 

  ・GPの抱える患者への予防のすすめ

 

  ・リスクとニーズに基づいた患者へのアドバイス

 

  ・有益性が有害性を上回ることの証明されているスクリーニング検査を含む、

   最新のエビデンスに基づいた外来診療のためのガイドライン

 

 

 

心血管疾患リスクの予測ツール

 

CVD Calculator 

 

 

オーストラリアで活用されている「心血管疾患のリスク」を予測できるツール。

 

血圧や年齢、コレステロール値を入力するだけで、5年後にどのような病気を患う可能性があるかを知ることが可能。

 

 

 

利用は、こちらのリンクから。

 

 

 

 

『SNAPガイド』

 

SNAPガイド

 

 

  S = Smoking(喫煙)

 

  N = Nutrition(栄養)

 

  A = Alcohol(アルコール)

 

  P = Physical activity(身体活動)

 

 

 

健康上のリスクファクターをチェックする上で、非常に重要な上記4つの要素に関するガイドラインであり、オーストラリアでは好んで活用されている。

 

病歴を聴取する際には、「SNAP」を頭に浮かべ、喫煙や食事、アルコール摂取量や運動量について尋ねることで、患者の生活習慣が健康的であるかどうかを、容易に判別することが可能になる。

 

 

ダウンロードは、こちら

 

 

 


 

 

講義では折に触れ、より良い予防医療の実現における「患者との良好な信頼および協力関係」の重要性を強調されたロナルド先生。

 

「話すだけでも患者の行動変容につながる」と、小手先のテクニックよりも「真摯な対話」の大事さが研修生にも伝授されることとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

The GP Road Map, the one of regular webinars for the RGPJ registrars aiming at enhancing their abilities as GPs, were successfully conducted, the other day.

 

This time, Dr. Ronald McCoy focused on preventive medicine and health promotion in the session.

 

 

 

As a matter of fact, both are mutually inseparable; especially as far as doctors and patients seriously soak for better outcomes.

 

Hence, a good trustful relationship is very important in preventive medicine, Dr. McCoy stressed on occasion throughout the session.

 

 

Thanks to his efforts, it seemed that the registrars truly understood the weight of sincere communication with patients eventually, rather than relying on manipulative techniques.

 

 

 

 

 

 

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