『ウェビナー報告日誌 2024 vol.2 ― 救急医療 ―』

 

広範で多岐におよぶ知識や手技の求められる「総合診療」という領域について、体系的かつ包括的に学びを深めることに主眼を置いた『Rural Generalist Program Japan(RGPJ)』の研修ウェビナー。

 

今回は『RGPJ』の第一期生にして、現在は千葉県の塩田病院にて総合診療科部長として活躍されている青木 信也先生から、とりわけ離島へき地における「総合診療」とは切っても切り離せない「救急医療」について教えていただきました。

 

 

以下に、今回の講義から内容を一部抜粋してご紹介いたします。

 


 

 

「薬物救急」で困ったら

 

日本中毒情報センター

 

  中毒110番・電話サ-ビス (医療機関専用) ※24時間対応

 

 

「小児救急」について

 

小児救急の「原則」

 

  ・呼吸管理に徹底する

 

   └ 小児の急変は「気道」絡みがほとんど。

     酸素投与・原因の鑑別・挿管手技を徹底して

     事前にシミュレーションしておくことが大事。

 

  ・生後3ヶ月以内の発熱に注意する

 

   └ 兄弟などがいなければ、基本的には3ヶ月以内の発熱はしない。

     尿路感染症や細菌感染のリスクを考慮して血培、尿倍も必要。

 

  ・何でも「熱性痙攣」としない

 

   └ 片側麻痺は、熱性痙攣の可能性が低い。

 

 

備考:

 

・小児救急への対応は看護師含め全員が不慣れの可能性が高いため、小児用救急セット等の有無の確認など、あらかじめ各種の確認や想定を徹底的に行うことがとても重要。

 

・「なんとなく具合の悪い」小児に要注意。ほとんどが軽症であるが故に、「常に心筋炎の可能性を頭の片隅に入れておく」ことが肝要。ぐったりしている子供を見逃さないためにも、普段の様子をよく知る保護者の意見を尊重することも大事。

 

 

 


 

 

気道救急、循環救急、神経救急、外傷救急、薬物救急、小児救急、参加救急、等々。

 

一口に「救急医療」といっても、その実態は様々な分野や領域に分かれるにとどまらず、しばしば複合的に絡み合うことも珍しくないこの領域は、まさに“総合診療”のひとつの極致とも言えるかもしれません。

 

 

 

「色々なものに限りがあることを知る」、「無理しすぎない(自分の力をしっかりと客観評価する)」とは、青木先生の弁。

 

救急医療において「本当に大事なこと」のひとつとしてその重要性を改めて強調するとともに、総合診療の道を歩む“先達”からの真摯な助言が、研修生たちへと贈られることとなりました。

 

 

 

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