『ウェビナー報告日誌 2022「Rural Skills」編 vol.2 ― 小児科 ―』

 

毎回、異なる専門医の先生から、「総合診療医」に求められる実践的な手技や知識を伝授していただくためのウェビナー『Rural Skills』。

 

今回のテーマは「小児科」。山梨厚生病院小児科より岡藤 麻未先生、都立多摩総合医療センター総合診療科より王 謙之先生のお二人を講師にお招きし、それぞれ異なる観点からテーマを深堀りしていただきました。

 

 

 

 

以下、今回の講義より一部内容を抜粋してご紹介いたします。

 

 


 

 

「親を味方にする説明」のポイント

 

例:(緊急性や危険性の低い)腹痛の場合

 

 

1.「腹痛(の鑑別)は難しいです!」

 下手に誤魔化したりせず、医者でも難しいということをはっきりと伝えてしまう。

 

 

2.「危ない原因の可能性は低いと思うけど」

 まずは不安を取り除いてあげる。

 

 

3.「時間を味方につけて経過観察しましょう」

 「経過観察」が放置ではなく「検査」の一つであることを、理解を得やすい言い回しを意識しつつ説明する。

 

 

4.「一緒に心配しているから、いつでも相談を」

 「医者 vs 親」ではなく「医者 & 親」であることを伝えてあげる。

 

 

 

「アレルギー診療」の流れ

 

1.問診(症状があった4時間前~の行動も含めて)

 

2.検査(血液検査、プリックテスト、負荷試験等)

 

3.アレルギーの診断(除去等の対応)

 

血液検査や誤食等の経過を見ながら食物経口負荷試験を予定

アレルゲン食品の安全に食べられる量を確認する

  

安全に食べられる範囲でアレルゲン食品を継続摂取し、

少しずつ量を増やしていく

  

一食で食べる標準量(加熱卵:1個、牛乳:200ml、うどん:200g等)

まで食べられれば除去解除

 

 

備考:

 

・乳、小麦に関しては、幼少の時は少なめで除去解除する場合もある

 

・アレルギーによっては、「食べられるようになりやすいもの」「なりにくいもの」「克服等の努力をするのが危険なもの」があるため、見極めが重要

 

・近年は、輸入量の増加に伴い「木の実(ナッツ)類」によるアレルギーが急増している点に注意

 

 

 

アレルギーを疑ったときの問診のポイント

 

・どういう状態の何を、どのくらい食べた?

 

・どんな症状?

 

・症状が出るまでの時間は?

 

・症状に対して何か治療した?

 

・改善までの時間は?

 

・再現性はある?

 

・4時間前までどこで何をしてた?

 

・周りは何か食べていた?

 

 

 

備考:

 

・アレルギー診断においては、「問診」が最も大事

 

・「改善までの時間」は、その症状が「アレルギーによるもの」か「そうでないか」を見極める上で、簡単かつ重要な指針となりやすい

 

 

 

「アレルゲン」が不明の場合

 

・MASTやViewなどの網羅的な半定量検査はおススメしない

 

・症状が出た4時間前からの「何をしていたか」「何を食べたのか」を記録してもらい、共通項目を探す

 

・アレルギー症状が出たときの対処法を指導しておく

(抗ヒスタミン薬の処方も行う)

 

 

備考:

 

半定量検査の場合、原因のアレルゲン以外にも反応してしまい解釈に困ることになる確率が高いため、「抗原特異的IgE抗体」の検査の実施が推奨される

 

 

 

「アレルギーの検査」について

 

即時型を調べる

 

 ・血中抗原特異型IgE抗体

 ・皮膚プリックテスト

 ・好塩基球ヒスタミン遊離試験

 

 

◆ 遅延を調べる

 

 ・パッチテスト

 ・リンパ球刺激試験

 

 

備考:

 

・「抗体がプラス」だからといって、必ずしもアレルギーだとは言えない点に要注意。「症状がないものに採血してはいけない」というのが大原則。

 

・血液検査ですべてが分かるわけではない、という説明が大事

 

・食べられているものは抗体価が上がっていても除去しない

 

・IgEが上がっている=感作されている段階

 症状を起こして、初めて「アレルギーがある」と言える

 

 

 


 

 

未成熟な肉体的や精神的に加え、「保護者」に対する配慮などがより強く求められることになる「小児科」は、数ある診療科の中でもある意味で非常に特殊な領域であるだけに、研修生の先生方も試行錯誤の日々を送られているようでした。

 

それだけに今回の講義はまさに「渡りに船」となったようで、精力的に疑問の解消や知識の吸収に努めようとする先生方の姿がとても印象的な時間となりました。

 

 

 

 

 

 

 

We successfully held The Rural Skills, one of the regular RGPJ webinars focusing on improving the registrars’ skills and enriching their knowledges through practical lectures by veteran specialists, the other day.

 

This time, we invited Dr. Okafuji and Dr. Oh as lecturers from Yamanashi Kosei Hospital and Tokyo Metropolitan Tama Medical Center, respectively. Actually, they are specialists of pediatrics and they delivered a special lecture to the registrars.

 

 

Obviously, it could be said that the pediatrics is very “specialized” even among other medical specialties.

 

Usually, pediatricians have to pay attention to various things that are not necessary to be considered when they see “adult” patients, because children are much immature both physically and mentally compared to adults. At times, the doctors are required to make great arrangements even to the patients’ parents.

 

 

Unfortunateoy, the registrars are no exception; they had been learning through trials and errors in order to overcome the specialness, according to the registrars.

 

Therefore, the session by two able pediatricians were very timely offer for them and everyone spent very fruitful time, eventually.

 

 

 

 

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