『ウェビナー報告日誌 2021「GP Road Map」編 vol.4 ― プライマリーケア症例検討 ―』

 

その定義も範囲も広大で多岐にわたる「総合診療」の何たるかについて、GPとしても指導医としても経験豊富なロナルド・マッコイ先生に学ぶ『GP Road Map』。

 

今回のセッションでは、『ジェネラリストのためのプライマリーケア症例』というテーマの下、ロナルド先生があらかじめ用意してくださった幾つかの症例を題材にして症例検討を行うこととなりました。

 

 

 

 

なお、今回の講義においてが全部で四つの小テーマ(症例)が取り上げられることとなりましたが、以下にその中から一部を抜粋してご紹介いたします。

 

 


 

 

臨床クイズ:こどもの発熱 ①

 

 

質問 ①:

 

発熱とウイルス発疹をきたしている生後20ヶ月のコニーを診ました。単発性ウイルス感染である自信はありますが、念のため、髄膜炎菌感染症を含む深刻な疾患の可能性について言及します。

 

髄膜炎菌感染症について、以下のどの説明が誤りですか?

 

 

  A.非特異的症状であることはまれ

 

  B.既に鼻かぜの症状を呈していることがある

 

  C.胃腸症状を訴えるが、発疹はない

 

  D.押さえると色が消える、紫斑性でない発疹

 

  E.足の痛み、冷たい四肢、異常な皮膚の色を呈する

 

 

 

 

正解:(「まれ」の部分が誤り)

 

 

備考:

 

非特異的な症状をきたすことがあるので、特に「かぜ」という風に診られていても、両親(保護者)には、急激に症状が悪化する可能性があるということをあらかじめ説明しておくことが必要とされる。

 

 

 

 

臨床クイズ:こどもの発熱 ②

 

 

質問 ②:

 

8歳のアデルが、高熱の症状で受診しました。身体所見では、膜性扁桃浸出液、全身性リンパ節膨脹、肝脾腫と微かな斑状皮疹が認められました。

 

この患者に見られる症状(現象)として、最も可能性が高いのはどれですか?

 

 

  A.上昇したASOT(抗ストレブトリジン価)

 

  B.末梢血中の異形リンパ球

 

  C.骨髄がリンパ性白血病を示す

 

  D.尿沈渣で、細胞中に巨細胞封入帯が見られる

 

  E.シック試験陽性

 

 

 

 

正解:B.末梢血中の異形リンパ球

 

 

備考:

 

日本では、そのまま検査しない場合や疑いでフォローアップする場合もあると思われるが、汎血球減少が見られることがあり、改善はするもののステロイドが必要となる場合もあるため、注意深くフォロ-アップすることが重要。

 

 

 

 

臨床クイズ:こどもの発熱 ③

 

 

質問 ③:

 

生後18ヶ月のアティカスは、38.3度の熱があるが、感染病巣はなく身体的異常も認められない。

 

まず実施されるべき検査は、以下のうちどれですか?

 

 

  A.赤血球沈降速度

 

  B.全血検査

 

  C.尿の顕微鏡検査

 

  D.咽頭スワブ

 

  E.胸部レントゲン

 

 

 

 

正解:.尿の顕微鏡検査

 

 

 

 

こどもの発熱:コツと注意点

 

 

  ・発熱が最小限またはない場合でも、重症敗血症である可能性がある。

   熱の程度は、疾患の重症度を反映しない。

 

  ・解熱剤への反応は、診断ツールとして使うべきではない。

 

  ・親の懸念を、決して軽視しない。

 

  ・毒性のABCD徴候

 

  ・3ヶ月未満児で病巣がはっきりしない場合には、通常入院が必要。

 

  ・病巣がはっきりしないこどもには、尿検査を実施する。

 

 

 

 


 

 

今回、研修生への “チャレンジ” として、講義の要所要所に「臨床クイズ」を用意されたロナルド先生。

 

その厳選された “難問” に対し、頭を抱えながらも自らの医師人生を通じて培った知識と経験を総動員し、何とか “正解” を導き出そうと懸命に研修生の先生方の姿が、何とも頼もしく映る時間となりました。

 

 

 

 

 

 

The other day, we monthly conducted one of our regular webinar that is for the registrars to deepen their knowledge and wisdom about general practice: the GP Road Map.

 

 

For your information, the gist of the main topics in the session is as follows:

 

 

 

  1.Urinary difficulties

 

  2.Abnormal liver function tests

 

  3.Fever in children

 

  4.Ethical problem

 

 

 

Throughout the session, all the registrars often ran against the “brain teasers” that Dr. Ronald prepared for them. Surely, Dr. McCoy had well-selected it for the session, as expected each of them were indeed difficult to lead to the correct answer.

 

However, everyone mustered up their experiences and faced up to the “challenges”. Unfortunately, they missed a chance to be perfect scorers, but they eventually received lots of knowledges and important tips from Dr. McCoy.

 

 

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