『ウェビナー報告日誌 2021「G’day Mate」編 vol.3 ― PLISSITに基づくカウンセリング ―』

 

海外の医療現場でも通用する実践的な英語力を涵養するためのオンライン英会話レッスン『G’day Mate』。

 

今回のセッションでは、「PLLISIT」と呼ばれる有用なカウンセリングモデルを参考にしながら、「不妊治療」というデリケートかつセンシティブな問題を題材としたロールプレイング形式でのレッスンが行われることとなりました。

 

 

 

 

往々にして、とりわけ繊細で慎重な対応が必要とされるテーマを前にして、いつもよりもロールプレイングの実践にやや苦戦する様子も見て取れたものの、いたずらに萎縮したり、表現することを諦めたりすることなく、積極的に参加する姿勢で挑む研修生たち。

 

既に先日、ロナルド先生による『GP Road Map』にて「PLLISIT」に基づく実践的なカウンセリングに関する講義を受けていたこともあり、多少言葉に詰まりながらも、しっかりと「PLLISIT」を踏襲したロールプレイングになっていたことが印象的でした。

 

 

 


 

 

実践的なカウンセリングモデル「PLISSIT」

 

 

実際に日々の診療の中でカウンセリングを行う際には、系統立てられたアプローチの方法(カウンセリングモデル)がとても役に立つ。

 

 

ただし、カウンセリングモデルは無数に存在しているため、まずは幾つか実践してみて、医師として経験を積む中で、少しずつレパートリーを開拓していくと良い。

 

ここでは、簡潔で覚えやすく、難しい状況や慎重に扱われるべき状況にも適用できるカウンセリングモデルの一例として「PLISSIT」を紹介する。

 

 

 

1.Permission(承認・受容)

 

患者からの相談を受け入れる姿勢があることを、思いやりをもって明示する。

「このことについてお話するのは、さぞお辛いことと思います」

 

 

2.LImited information(基本的な情報の提供)

 

患者が抱える問題に関する基本的な情報だけを提供する

 

 

3.Specific Suggestion(明確な提案)

 

より具体的な治療方法などを検討・提案する

 

 

4.Intensive Therapy(集中的な治療)

 

専門家への紹介を検討する

 

 

 

一般的にGPは、その分野に関する専門的なスキルを有していない限り、最初の三項目だけを実施する。

 

 

 

備考:

 

 

▷ 特有のカウンセリングスキルが必要とされる分野・領域の例

 

  あらゆる危機的な状況 - 突然降って湧いた悪い知らせなど

 

  死別や悲嘆

 

  あらゆる病気や疾患(特に深刻な疾患)

 

  末期疾患や緩和ケア

 

  幼児における知的障害(家族による支援)

 

  結婚生活(夫婦関)における問題

 

  性機能障害

 

  慢性疼痛

 

  不安とストレス

 

  不妊

 

  性的虐待や児童虐待

 

  親しいパートナー間での暴力

 

  不眠症や他の睡眠障害

 

 

 

 


 

 

なお、セッションの後半には「不妊治療」や「妊娠」といったテーマに関するディスカッションの時間が設けられ、研修生の先生方が実際に一人の「医師」として、あるいは一人の「親」として経験した貴重な体験談や知見などが互いに共有されることとなりました。

 

 

また、講師のジャスミン先生による的確な質問や問題提起による助けのほか、セッションに参加されていた研修生の先生方の多くがお子様をお持ちだったこともあり、ディスカッションでは机上の空論ではない、実体験に基づく実感のこもった意見や見解が飛び交うこととなった今回のセッション。

 

今回のように難しいテーマでも、しっかりと相手の発言を聞き取り、自分の意見を伝えられていた研修生の姿に、研修生の先生方の明確な成長と努力の痕跡を感じ取れた時間ともなりました。

 

 

 

 

 

 

 

The G’day Mate, a regular monthly online lessons focusing on improvement of English-speaking ability by Ms. Jasmine Millman who is an native English speaker, was conducted the other day.

 

The main theme of the session was to practice counselling based on “PLLISIT”, an famous and useful counselling model that is usable even in sensitive cases such as infertility. In the session, the registrars had some role-plays about a treatment of infertility and they sought to learn the knack of PLLISIT.

 

 

 

Also, we had an free-discussion session under the theme of “infertility” in the latter part of the session.

 

There, all the registrars proactively shared their experiences and opinions from the perspective of not only an doctor but also a parent with each other. Although it seemed that the registrars had some troubles at expressing their opinion in English due to the difficulty of the theme itself, they were able to comprehend others’ statements and exchange their opinions sufficiently.

 

 

Thinking that the discussion may be less fulfilled if it was conducted by the old them, we could be sure, much to our delight, that every registrars had become successful in enhancing their abilities consistently and favorably.

 

 

 

 

 

 

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