『「ザ・手技」ワークショップ 本番開始 ―RGPJ Workshop Has Begun―』
多くの方々の支えと尽力あって、ついにこの度、無事に「ザ・手技」ワークショップの開催に漕ぎ着けることができました!
総合診療医(GP)に求められる手技の集中的なスキルアップや、知識の総合的なブラッシュアップを図る2日間のワークショップのために、日本各地のみならず遠くはオーストラリアからも、腕利きのベテラン医師の先生方が駆けつけてくださいました!
さて、ワークショップ初日の幕開けを飾ったのは、ジャスミン・ミルマン氏による英語の特訓レッスン。
栄養士の資格を持つオーストラリア人であり、現在は博士号を取得すべく琉球大学にて日々研究に勤しむ彼女も、今回わざわざ沖縄から参戦してくれました。
そして、ジャスミンからたすきを手渡されたのは、オーストラリアのベテランGPとして(最早ゲネプロ的には)お馴染みのイーウェン・マクフィー先生。
今回は、“Overview of Rural Medicine in Australia(オーストラリアのへき地医療における概観)” というテーマの下、ほぼ30年にも及ぶへき地医療従事者としての経験を交えたお話を存分に語っていただきました。
その後は、イーウェン先生のスピーチで生まれた勢いと熱気そのままに、眼科、整形外科、循環器内科の手技シミュレーション特訓へと雪崩れ込む形に。
まず、眼科の指導医を務めてくださったのは、島田総合病院にて長らく眼科診療を担われてきた山本雅昭先生。
「半年外来に就いてくれたら、手術以外はできるようになります」と豪語する大ベテランです。
今回、そんな山本先生には、“眼科医にとっての聴診器” であるスリットランプの扱いを中心に、シミュレーション特訓という形で熱心にご指導いただきました。
そして、ワークショップは流れるように整形外科の特訓セッションへ。
上五島から遠路はるばる参戦してくださった一宮邦訓先生は、誰もが認めるジェネラリストでもあり、その指導は、実際の現場で行う頻度の高い手技科目を中心にとして実践的なものばかり。
さらに、循環器内科の特訓セッションでは、宮上病院の西原崇創(しゅうぞう)先生が熱く指導してくださいました。
“医学界の(松岡)修造” などと勝手に呼ばせてもらっていますが(笑)、情熱と冷静さとのバランスが非常に絶妙な方でもあり、その絶妙さは指導にも存分に反映されています。
こうして初日は、“離島でも通用するGP” に必要とされる手技について、3人のベテラン医師を中心にみっちりと研修生に叩き込んでいただきましたが、どれもこれも迫力満点で現実的なレクチャーばかりでした。
また、その晩に開かれた懇親会では、指導陣と研修生とのトークセッションも開催され、第1期生と指導医たちがお互いに腹を割り、日頃の悩みや夢、家族などについて語り合う一幕も。
翌日のワークショップ、またその先にある自分の目標に向けた活力が自然と充填されるような時間となりました。
そして、楽しく充実した時間ほど過ぎ去るのは早いもので、あっと言う間にワークショップは2日目に。
初日の充実したレクチャーの数々に、先生方も少なからずプレッシャーを感じていたことでしょう。
2日目の指導を受け持つ山口卓哉&純子夫妻の背中が頼もしい
しかしながら、2日目の指導も初日に負けず劣らずの素晴らしいものばかりとなったのは、流石というほかありません。
麻酔科の特訓セッションでは、麻酔科で有名な旭川医大にて、神経ブロックなどの麻酔科領域を磨かれている山口卓哉先生が、直々に手ほどき。
普段は温厚な卓哉先生ですが、針を持った瞬間に人が変わります!(笑)
手術室の空気がにわかに張り詰める中、厳しく、きめ細かく、そして何より分かりやすく気付かせながら行われる指導は、まさに圧巻の一言でした。
その後は、イーウェン先生による産婦人科の指導にバトンタッチ。
27年間にわたりRural Generalist(へき地専門医)として地域医療を支えてきた中で、地域唯一の産婦人科医であった時期は実に10年間にも及んだとのこと。
「コミュニティにおけるニーズは何か」、「そのニーズと自分のスキルとを、どうマッチングさせるか」を考えることが大事であると仰いますが、まさしくその教えと実践が濃縮された指導でした。
そして、産婦人科の特訓セッションにおいては、産婦人科医と外科医である山口純子先生による指導も。
和気あいあいとした空気の中、締めるべきところを締め、叩き込むべきところは叩き込むその指導は、まさしく「お見事」の一言。
分娩のシミュレーション訓練を行える専用の機器を用いて、かなり基礎的な領域から研修生たちを鍛え上げてくださいました。
ワークショップの最後を飾る科目は、エコー検査。
西原先生および卓哉先生の両名に、島田総合病院の超ベテランエコー技師である原さんを迎え、3人体制による指導がスタート。
「脱職人芸」を合言葉に、“自己流”から “一流” に到達すべくエコーの型を徹底的に教え込んでいただきました。
こうして、「ザ・手技」ワークショップは円満な終了を迎えることができた訳なのですが、冒頭でも述べましたように、本当に多くの方々のご協力とご高配あっての成功であることは疑う余地がありません。
全力で指導にあたってくださった指導陣の先生方や、会場の提供や準備に惜しみなく協力してくださった島田総合病院の方々はじめ、このプロジェクトの実現に携わってくださったすべての方々に対して、改めて心からの御礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました!
Thanks to all of the efforts and cooperation of many people, we had successfully held the workshop, named “The Procedure”, for RGPJ registrars at Shimada General Hospital in Chiba Prefecture!
For this two-day workshop, many people, including supervisory doctors, gathered from across Japan and Australia.
In the first day, the registrars got intensively lectured on ophthalmology, orthopedics and cardiovascular internal medicine from skilled, veteran specialists: Dr. Masaaki Yamamoto, Dr. Kuninori Ichinomiya and Dr. Shuzo Nishihara, respectively.
All the three willingly taught the techniques and know-how that needs in rural remote medicine and they had acquired through their long experience as a doctor to registrars.
And, the registrars also struggled to absorb as much of it as possible in order to become a Rural Generalist who could work in rural areas, even in remote islands as soon as possible.
After finishing all the program of the first day, we had a dinner party at the night.
As the one of sideshows of the party, a round table talk with supervisory doctors and registrars was held; and they had a heart-to-heart talk with each other.
Everyone mutually inspired and energized. It was absolutely a wonderful time.
The second day had come, after the great night.
Registrars received another intensive lectures especially on anesthesiology, gynecology and obstetrics, echography.
As is the case with the first day, trained, experienced specialists taught them about each subject.
Firstly, Dr. Takuya Yamaguchi taught them about anesthesiology with proper supervison; his instruction was not only strict, but also detailed and easy-to-grasp.
And secondly, Dr. Ewen McPhee and Dr. Junko Yamaguchi gave a lecture on gynecology and obstetrics.
Dr. Ewen, who had been working in many remote rural areas as a Rural Generalists for almost 30 years, taught registrars the techniques and know-how that was based on his rich experiences and philosophy on life.
Also, Dr. Junko, using the delivery simulator, gave instruction on from fundamental knowledge to practical procedures.
Finally, Mr. Hara, who has been an ultrasonologist at Shimada General Hospital for a long time, fed registrars good tips and secrets of echograhpy, under the theme of “departure from the craftsmanship”.
As I mentioned above, the workshop had been successfully finished. I’m sure, from the bottom of my heart, this success was completely thanks to everyone who had engaged in this project.
So, I would once again love to express my deep appreciation for all of your efforts and services!
Thank you very much indeed!