『ウェビナー報告日誌 2022「GP Road Map」編 vol.4 ― ジェネラリストのための症例検討 ―』

 

医師としても指導者としても経験豊富なベテランGP、ロナルド先生から「総合診療」について実践的かつ体系的に学ぶ『GP Road Map』。

 

今回は、「3つの一般的なプライマリケア症状」に焦点を当て、研修生一丸となってロナルド先生の用意した症例検討クイズに挑戦しました。

 

 

 

 

なお、「3つの一般的なプライマリケア症状」とは、具体的には「頭痛」と「咳」、そして「健康診断」とのことで、研修生の先生方がそれぞれの経験や知識を皆で持ち寄り、用意された”難問”へと全力で取り組む姿がとても印章的でした。

 

以下に、内容を一部抜粋してご紹介します。

 

 


 

臨床クイズ:「頭痛」 ①

 

▷「重要な特徴」

 

へーミッシュは28歳の大学生で、頭痛が2週間続いています。他の症状はなく、頭部の怪我もありません。検査では神経学的所見を含めて「正常」という結果が出ています。

 

 

質問1:

可能性のある「重篤な原因」を取り除くためには、どんな「レッドフラッグ」を探すべきでしょうか? 6つ挙げてください。

 

 

回答1:

 

 ・抗凝固剤

 

 ・がん、あるいは免疫不全の病歴

 

 ・頭痛による覚醒(起床)

 

 ・発熱

 

 ・頚部硬直

 

 ・症状悪化の進行

 

 

 

備考:

 

頭痛が特にストレスなどから来るものであれば、単純な服薬と十分な睡眠とで症状が改善される場合が多い。一方で、長期にわたって悪化しつづけたり、とりわけ睡眠中に頭痛で目覚めたりする場合などには、要注意。

 

 

 

臨床クイズ:「頭痛」 ②

 

▷「更なる情報」の判明

 

へーミッシュは、大学の授業が「とてもストレスフルである」ことを認めているため、貴方は「緊張性頭痛」を疑っています。

 

 

質問2:

緊張性頭痛を示唆する「頭痛の特徴」とは何ですか? 6つ挙げてください。

 

 

回答2:

 

 ・30分以上、かつ7日間継続する頭痛

 

 ・両側性

 

 ・鈍痛(拍動しない)

 

 ・軽度から中程度の痛みの強さ

 

 ・身体活動とは無関係

 

 ・吐き気や嘔吐はない

 

 

 

臨床クイズ:「頭痛」 ③

 

▷ 頭痛の「管理」

 

質問3:

彼の頭痛を管理するために、どのような広範な管理戦略を立てますか? 4つ挙げてください。

 

 

回答3:

 

 ・「安心」を与える「言葉」と「教育」

 

 ・ストレス削減とマインドフルネストレーニング

 

 ・生活習慣要因の改善・見直し:アルコール、カフェイン、運動

 

 ・薬剤の処方

   └ 向精神薬は避ける

   └ 簡単な鎮痛剤を使う 

    例)パラセタモール、イブプロフェンだけにして経過観察する

 

 

 

備考:

 

・緊張性頭痛の患者の中には、抗不安薬や鎮痛薬を既に大量に服用している人もいるため、事前にしっかりと薬歴を調べて、「どの程度の量の薬を服用しているか」を監視することが重要。

 

・「お酒を飲むと頭痛がなくなる」という患者の発言があった場合、「緊張性頭痛と診断を下す手掛かり」となる一方で、「アルコールやカフェインの取り過ぎは緊張性頭痛の原因であり、非常にストレスの多い生活をしている可能性も示唆される」ため、要注意。

 

 

 


 

昨年の4月より始まった『GP Road Map』も、ついに今回で最終回を迎えます。

 

 

「オーストラリアを訪れることがあれば、それが5年後でも10年後でも、遠慮せずに連絡してください。いつでも力になります」。

 

ロナルド先生による最後の挨拶では、そんな温かいメッセージとともに研修生の今後に向けた激励が送られることとなり、とても前向きな明るい雰囲気の中で講義は幕を下ろすこととなりました。

 

 

 

 

 

 

 

The GP Road Map, a practical and systematic series of lectures focusing on the principles of “general practice”, was held online the other day.

 

For your information, the theme of the webinar was ‘Primary Care Cases for Generalists!’, and Dr. Ronald had prepared 3 special quizzes aiming respectively at 3 common cases in primary care: headache. tusis, and health checkup.

 

Then, every registrars proactively exchanged and shared their experiences or knowledges with each other in order to tackle those “problems”. Although they were having heavy jobs, they finally overcome the quizzes which were the “last” presents for the registrars from Dr. McCoy.

 

 

Actually.  this was the last session of GP Road Map in this current term.

 

So, Dr. McCoy gave an cheerful encouragement to every registrars with an warm message; “don’t hesitate to contact me anytime when you come to Australia, even 5 or 10 years later”.

 

All thanks to his celebration for approaching a new chapter in their life, all the registrars ended the session with a big smile finally and launched into the new journey, at the end.

 

 

 

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