『『親父の背中プログラム』ワークショップ 2019 ―Daddy’s Back Workshop 2019 at Masuda―』

 

今回、益田地域医療センター病院にて開催された『親父の背中プログラム』ワークショップに参加してまいりました。

 

 

同病院においては、以前にも『Rural GP Masterclass』と銘打ち、総合診療医としての手技力の強化に焦点を当てたワークショップが開催されましたが、こちらはゲネプロが企画し、益田地域医療センター病院のご協力の下に共同開催されたものでした。

 

 

 

しかしながら、今回新たに開催されたワークショップは、企画から開催に至るまで、完全に益田地域医療センター病院による主導。

 

ゲネプロは今回、その実現に向けて裏方からサポートさせていただき、ワークショップの名称には、同病院との共同プロジェクト『親父の背中プログラム』の名前が冠されることとなりました。

 

 

 

「Rural GP Masterclass」のロゴ

 

 

益田市医師会の誇るベテラン医師たちが長い時間をかけて一つずつ体得してきた “教科書には書けない秘伝の技” を、若手医師に伝授および継承することに主眼の置かれた今回のワークショップ。

 

「地域医療の現場で総合診療医が獲得すべき診療範囲(Scope of Practice)」を明確にした上で、具体的な手技や診断技術について高い目的意識を持って熱心に指導されている様子が、とても印象的でした。

 

 

また、先生方だけではなく病院のスタッフ全体までもが一丸となり、一致団結してワークショップを盛り立てていたこともあって、ワークショップ当日は、とても良い雰囲気の中で研修を実施することができていたように思います。

 

 

なお、以下は、今回のワークショップで実施された研修の概要です。

 

整形外科(指導医:井上 貴雄 医師)

自ら手技を実践して教える井上先生

 

●  脱臼・骨折の診断と治療
●  肩こり・腰痛の診断と治療
●  関節疾患の診断と治療
●  痛みの緩和におけるブロック療法

 

 

 

 

耳鼻科(指導医:神﨑 裕士 医師)

要点を適確に押さえた分かりやすい神﨑先生の座学

 

●  鼻出血における止血法(キーゼルバッハからベロックのタンポンまで)
●  耳鼻科ファイバーの使い方(喉頭蓋の評価から咳の鑑別まで)
●  めまいの診断の進め方など

 

 

 

 

皮膚科(指導医:大畑 力 医師)

実際に顕微鏡を使用した検査を指導する大畑先生

 

●  皮疹の見方
●  知っておくと役に立つ皮膚疾患と治療
●  顕微鏡を使用した真菌検査など

 

 

 

 

麻酔科(指導医:山口 卓哉 医師)

シミュレーション用の模型を使って実践的に指導する山口先生

 

●  超音波ガイド下の穿刺(神経ブロック・血管確保):エコーを使って上手に刺そう
●  腰椎穿刺:髄液検査も、脊髄くも膜下麻酔も、まずは確実な穿刺から
●  気道確保:久しぶりの気管挿管。さてどうする

 

 

 

 

また、これは余談なのですが、二日間にわたって開催された今回のワークショップ。実は一日目の夕方からは「清流日本一高津川の鮎を食べる会」、通称「鮎の会」が開催されました。

 

この、何とも情緒と食欲の刺激される催し。実は、益田地域医療センター病院において毎年恒例の風物詩ともなっているのですが、今回ありがたいことに我々ゲネプロの面々もお招きいただくことなり、指導医や受講生、病院スタッフの皆さんと一緒に、島根を走る美しい清流で育まれた絶品の鮎に舌鼓を打ってまいりました。

 

 

炭火で焼かれた新鮮な鮎は「絶品」の一言

 

 

閑話休題。今回のワークショップには、ゲネプロのチーフメンターを務める山口 卓哉先生も麻酔科トレーニングの指導医として参加されました。

 

各セッションそれぞれについて、各指導医の先生方の人柄と個性が反映された面白い内容となり、それぞれに見所の多いワークショップとなったのですが、中でも山口先生によるセッションは、“見もの” でした。

 

流石にこれまで数多くのワークショップに講師として参加し、かなり “ワークショップ慣れ” をされているだけあって、山口先生による指導には、とりわけ強い説得力が感じられたように思われます。

 

 

特に驚いたのは、山口先生のセッション中、病院に勤務されている看護師さんたちが仲間を呼び、山口先生による手技に関する講義を真剣に聞いていたことで、講義が終わると、「今度、看護師向けにも講義を開催してほしい」という要望が寄せられるほどでした。

 

 

山口先生の指導を真剣に見つめる医師会の先生方

 

 

さらには、医師会においては大御所の先生方までもが、真剣な眼差しで山口先生の話に耳を傾けられており、受講生による手技トレーニングが終わるや否や、静かに熱く見守っていた先生方もこぞって山口先生の教えを実践。

 

いつまでも医者としての研鑽と向上心を忘れないその先生方の姿勢には見習うべきものが多く、強い感銘を受けました。

 

 

 

これだけの実力と熱意を併せ持った “親父” が、それも一人だけじゃなく何人もいて、しっかりと研修生たちを支えてくれるこの環境でならば、そして彼らを献身的にサポートしてくれるスタッフの揃っているこの病院でならば、しっかりと目標を見据え続けることさえできれば、きっと誰もが大きく成長することができることでしょう。

 

指導者側の立場からだけでなく、参加者側の目線でも課題に全力で取り組む “親父” たちの背中を通じて、そう強い実感を持って確信するとともに、終始 “親父” たちの持つエネルギーに圧倒されるようなワークショップとなりました。

 

 

 

 

 

The otherday, we participated in the Daddy’s Back Program workshop, a workshop for young physicians who would like to develop their procedural skills.

 

 

The workshop was held at Masuda Medical Association Hospital, one of our partner hospitals in the Rural Generalist Program Japan(RGPJ) training program.

 

Previously, Genepro and Masuda Medical Association Hospital had jointly hosted a workshop under the same basic concept in 2017, but this workshop was organized and held mainly by the hospital. Actually, we have been one of their supporters this time around.

 

 

Anyway, the Daddy’s Back Program workshop was held for two days and every participants gained various on-the-job trainings through the workshop.

 

For your information, the gist of the sessions in the workshop are as follows:

 

 

 

1. Orthopedics

– how to diagnose and treat bone fracture or dislocation

– how to diagnose and treat stiff shoulders or lumbago

– how to diagnose and treat arthritic disorders

– how to use nerve block in order to reduce pain

 

 

 

2. ENT

– hemostatic approach in nasal bleeding

– how to use nasopharyngolaryngoscope

– how to diagnose dizziness

 

 

 

 

3. Dermatology

– how to diagnose exanthema

– helpful tips on dermatological conditions and its treatment approaches

– how to perform an examination of fungus etc. with microscope

 

 

 

 

4. Anesthesiology

– how to perform a puncture under ultrasonic guidance

– how to perform a lumber puncture

– how to secure a clear airway

 

 

 

As usual, the workshop ended with a big success thanks to all of efforts of everyone who had been engaged in this project.

 

Actually, the venue was filled with a good and right atmosphere until the last, so each session looked really fulfilled and fruitful. Now, we are sure that everyone including us must have been able to have much to gain through the workshop.

 

 

 

 

 

 

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