Dr.Ewenからの便りー「初めてづくしの週末」を日本で過ごして
「ザ・手技」ワークショップの余熱がまだ冷めぬ頃、指導医のEwen先生から振り返りの便りが届きました。
ゲネプロの立ち上げからずっと温かく見守ってくださったEwen先生ですが、第1回目のワークショップに真っ先にオーストラリア・エメラルドから駆けつけてくださいました。
では、Ewen先生の便りをお届けします。
https://ruralgp.net/2017/07/17/a-weekend-of-firsts-in-japan/
Dr. Ewen McPhee:
オーストラリアへき地医師会(Rural Doctors Association of Australia) 会長。
オーストラリアのクイーンズランド州、エメラルド(Emerald)というへき地で、30年近くへき地総合診療医(Rural GP)、総合診療産婦人科医(GP Obstetrician)として地域医療に従事。2015年8月にゲネプロ主催のワークショップの指導医として来日し、福岡、徳之島での講演では好評を博した。趣味は自家用飛行機でツーリングに行くこと。
“A weekend of firsts in Japan” ―「初めてづくしの週末」を日本で過ごして ―
まずは、今回オーストラリアへき地医療学会(ACRRM)、およびオーストラリアへき地医師会(RDAA)の支援の下、無事に “初めてづくし” のワークショップを開催し終えた齋藤学医師はじめ、関係者の皆様に賛辞を贈りたいと思います。
今回のワークショップは、「Rural Generalist Program Japan(RGPJ)」に初の研修生として名乗りを上げた6人の “先駆者” に向けたものであり、麻酔科医や産婦人科医、外科医、循環器内科医、整形外科医にエコー専門技師など、多くの専門家によるサポートによって実現されました。
さて、“First(=初めてのこと)” に彩られたワークショップにおいて、私は幾つもの “First” に触れましたが、「それぞれの研修生に対して、医療的なフィードバックのみならず、英会話に対するフィードバックが為された」ことは、そのうちの1つです。
この ”First” について語る上で、英語教師として素晴らしい役割を演じたジャスミン・ミルマンの存在は外せません。英語教師であると同時に、栄養士でもあるジャスミンは現在、琉球大学にて博士号を取得するべく、『長寿の秘訣となっている可能性のある腸内細菌学』について研究しています。
今回、“日本版Rural Generalist Program” を情熱的にサポートする彼女と出会えたことを、同じオーストラリア人として嬉しく思いました。
そして、ワークショップを通じて、指導者や島田総合病院のスタッフ、プログラムを支援する方々、さらには見学に訪れた未来のへき地医療を担う若い医師たちと交流できたこと。
これもまた、もう1つの “First” であったと言えます。
夜の交流会では指導医と研修生が腹を割って語り合う時間が設けられました。
指導者たちは、医師として歩んだ自身の歴史や、将来に向けた願望などについて語ってくれましたが、仕事と生活とのバランスの取り方や、医療における女性医師の立場から、医療以外に人生で達成したい目標に至るまで、その内容はどれもユニークでわくわくさせられるものばかりでした。
「へき地医療」に情熱を傾けること。そして、離島の方々に医療を届けることの重要性は、もはや言うに及ばないでしょう。
多くの方々を巻き込みスタートしたこのプログラムからは、私自身、大きな刺激を受けることができましたし、またこの心躍る新たな取り組みに関わることができたことを、とても光栄に思います。
Kudos to Manabu Saito for the many firsts in his Rural Generalist Workshop supported by the Australian College of Rural and Remote Medicine.
In a move that is new to Japan Dr Saito ran a workshop for six Vanguard Rural Generalists of the Japanese Rural Generalist Program, with Specialists in Anaesthetics, Obstetrics, Surgery, Cardiology, Orthopaedics and Radiology, running sessions on clinical skill building and exposure to cross discipline knowledge.
Medical knowledge was coupled with feedback and performance improvement, another first for the Registrars as their supervisors gave them personal feedback not only in medical knowledge but also their evolving use of the English language with the very excellent Jasmine Millman.
Jasmine is a Dietician, English teacher and Ph.D. Student living on Okinawa researching gut microbial biomes as a possible key to the longevity of Japanese people’s lives. It was a pleasure to meet another Australian passionately supporting the Rural Generalist program.
An evening of social interaction between supervisors, hospital staff, support people and observing doctors (possible future rural generalists) was another first, with the Supervisors put under the spotlight to talk about their history and their aspirations.
Conversations about work-life balance, women in medicine and life outside medicine to create a sustainable lifelong career, were unique and refreshing.
The enthusiasm for rural generalist medicine and delivery of services to island people was palpable. The commitment of many people to making this new program is inspiring.
I am humbled to be associated with this exciting initiative.