沖縄 海上を走る58号線
国道58号は、鹿児島県鹿児島市から沖縄県那覇市へ至る一般国道である。
途中、種子島、奄美大島を経て、沖縄本島に達する。
大部分を占める海上区間を含めた総距離としては日本最長の国道であったが、
2013年4月1日現在、国道4号に次いで2位である。(ウィキペディアより)
沖縄県浦添市の58号沿いに補給基地キャンプキンザーがある。
10年後に返還される予定だが土壌調査等の必要性もあり、
活用化されるには今しばらくの時間がかかりそうだ。
キャンプキンザーの正面に友人の消化器内科医、山城惟欣が勤務する同仁病院がある。
1年半前に赴任し、この春に消化器内科のセンター長となった。
彼は私の主催するピアノ演奏会で、ショパンの軍隊ポロネーズを弾いてくれた。
内視鏡を操る手先の器用さはピアノでも折り紙つきである。
内視鏡機材が最新式に変わったときはその性能の素晴らしさをパワーポイントで説明してくれた。(酒席の場で、それも唐突に)
先日はその技術を離島やへき地を目指している医師に3カ月で伝授したいと語っていた。
8年前、沖縄のバーガンディという店に齋藤学を中心とする若い医師らが集まり、
ドクターヘリや地域医療について熱く語っていたことを思い出す。
山城惟欣は今もその思いを胸に秘めているのだろう。
その証となるのが、ゲネプロに同仁病院の整形外科医、金城先生を紹介してくれたことである。
同仁病院は水曜日が休診日だが、金城先生はその日を利用してやんばるの東村立診療所に総合診療医として勤務している。
今回酒席を共にしたが、へき地医療を念頭に入れて医師人生を考え、そのために整形外科を専門にした志の高い先生である。
金城先生の文章が掲載された院内誌には、漫画ONE PIECEについて紙面の半分以上を使い説明している。
そこで金城先生が伝えたいことはチームプレイ。
専門性を身につけた個が、全体を意識して同じ方向に向かえば理想に近づくことができる。
そして医療こそがこのチームプレイをもっとも求められているのではないか、と締める。
同仁病院から58号を南下すると小高い丘がある。
天久と呼ばれるこの地に「Bird’s Eye」という完全予約制のBBQ専門店がオープンした。
コンロから食器まで全てコールマン製でオーナーのこだわりを感じさせる。
用意された食材は豪快だ。
ビーフの塊、肉の柔らかさを追求したパイナップルポークやスペアリブなどBBQの醍醐味が味わえる。
1500円の飲み放題も嬉しい。
バケツで冷やした小瓶ビールでする乾杯はリゾート気分を一気に高める。
天気がよければ遠方に慶良間列島を望むことができる。
今回、沖縄そば「いしぐふー」のオーナーである池原賢が焼き場を担当した。
彼が焼く絶妙な焼き加減の前では店のスタッフも手を出すことはできない。
配膳をする人、飲みものに気を配る人、ここにもチームプレイの縮図がある。
そんな中これが役割であるかのごとく、
ゲネプロ事務長の宮島は自宅のように店内を放浪し、
私は根が生えたように、ただひたすら食べて飲み続けていた。
齋藤学も我が道を突き進む天才である。
ゲネプロのチームプレイは新たな局面を迎えようとしている。