学生講義「福祉とは?」
「福祉とは?」
〜そこで「福祉」してこい〜
西九州大学社会福祉学科4年生の授業90分1コマを担当。毎年、「死生学」を担当する五十嵐雄道ご住職に声をかけて頂く。
学生のノリが毎年違う。今年は何となくヤンチャな奴らが多そうだ。ならば、嫌がられるのを承知で、意見交換しまくってみよう。
齋藤
「そもそも福祉って何?」
学生たち
「困っている人を助けること」
「憲法第25条を実現すること」
「全ての人に夢を与えること」
齋藤
「お前ら本当に4年間福祉について勉強したの笑?」
ケンカを売ってみる。
齋藤
『じゃあ、親に「あんた学校で福祉を専攻してるみたいだけど、福祉って何なの?」と聞かれたら説明できる?』
一同、シーン。
齋藤
『4年間も勉強して、他の学部の奴らと飲み会したときに「福祉って何?」って聞かれない?』
他の学部の奴らとは飲み会なんてしない。ケンカは買わない奴らだ。
齋藤
「何で難しい?福祉って。カッコつけて国家規模で考えてねーか?じゃあ、少しずつ具体的に考えてみる?」
齋藤
『福祉は「誰に?」するの?』
学生
「困っている人?」
「障害を持った人?」
「独居老人?」
「ホームレス?」
「安部首相?」
齋藤
『では「どこで?」するの?』
学生
「道、駅、バス」
「市役所」
「家、施設、病院」
「地域包括?、社協?」
齋藤
「何かおかしくない?じゃあ誰がするの?」
学生
「厚生労働省?」
「社会福祉士じゃね〜?」
齋藤
「じゃあ、社会福祉士はどこにいる?道?駅?バス?」
38人全員が社会福祉士を目指すそうだ。
齋藤
「んで、何をするの?」
学生
「夢を与える」
「人と物の調整」
「幸福にする」
・・・
齋藤
『ここがイマイチよくわからんね~。じゃあさ、いままで出てきた中で、ホームレスとか、駅とかさ…、そうだ「駅に行ってホームレスに『福祉』してこい!」って言われたらどうする?』
齋藤
「駅に寝ているホームレスに「福祉」してこい!」
学生
「まず、一緒に座って、話を聞いて、求人情報を与える…」
一同大爆笑。
齋藤
「それって何?夢や幸福を与えるの?求人情報って何よ?」
学生
「その人にあった生活を支援する」
齋藤
「そうそう!」
ここで「生活とは?」についてまた議論。衣食住。食う寝る遊ぶ。寝て起きて食べてトイレや風呂に入って移動する。これが生活やね。
齋藤
「じゃあ、みんなでまとめてみよう」
学生
福祉とは
「全ての人」に対して、
「社会資源」を用いて、
「場所を問わず」、
その人に合った
「生活」を支援すること。
齋藤
「素晴らしいじゃん(涙)!」
準備したスライドは一枚も見せることなく、延々と福祉について考える90分だった。
最後に五十嵐雄道ご住職がまとめてくれた。生活とは「生きて」「活きる」ことで、「活きる」をも支援する社会福祉士になって欲しい、と。
一同号泣。そんなわけねーか笑。