Rural Medical Education Hub(RMEHub)について

2021/05/14

「日本版へき地医療研修プログラム(RGPJ)」が産声を上げて、5年が経ちました。

私の拙著『へき地医療をめぐる旅ー私は何を見てきたのだろうか』(三輪書店)を通じて、プログラムの構想から、立ち上げに至るまでの冒険をご紹介しましたが、RGPJプログラムが立ち上がり数年を経た今も、旅は続いています。

 

「へき地で働ける医師になるには、何が必要なのか?」
「離島やへき地にいながらも、十分な教育プログラムを受けられる仕組み(カリキュラム)はどうやって作るのか?」

「プログラムを改善していくためには、何をすればよいのか?」

 

目の前に現れる数々のチャレンジに対し、離島・へき地医療の豊かな経験を持つ日本・世界の仲間たちから惜しみなく経験や知恵を頂きながら、研修内容の充実や教育サポートの強化を目指してきました。

 

しかし、現場にすべての答えがあるわけではありません。時には、学術論文を読みあさり、WHOや世界の先駆者・プログラムのレポートの中に答えを求め、徐々に離島・へき地医療の研究の世界に足を踏み入れていくこととなりました。研究の世界に足を踏み入れると、先人達の豊かな経験や膨大な知見が、海を越えて、時代を超えて、私達の背中を後押ししてくれているように感じられました。

 

このような背景から、「研究を通じて、離島・へき地の現場に貢献できないか?」、「RGPJプログラムから得ている貴重な経験や知見を研究としてまとめ、世界に還元していくことはできないのか?」と考えるようになりました。

 

そんな思いから、この度、Rural Medical Education Hub (RMEHub)という「場」をつくることにいたしました。ここでは、離島・へき地医療に関する調査・研究について紹介をしたり、重要なレポートを読み解き、日本のコンテクスト(背景・実情)に照らし合わせて考察したり、RGPJから展開される研究について紹介する予定です。RGPJの新しい取り組みとして、離島・へき地医療の「過去」「現在」「未来」に少しずつ迫っていければと思っております。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

齋藤学

 

 

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